第58章

紬が指を折って縁起のいい時間を言い当てたのを目の当たりにした連中は、どこか顔がひきつっていた。さっきまで笑っていた自分の頬が、じわじわ痛む――そんな表情だ。

「……ありえないだろ。偶然にしては出来すぎだ。ぴったり10時18分だぞ」

「まさか、本当に算き出したってこと……?」

「いやいや、無理だろ。南雲先生が言うならまだしも、神崎家のお嬢様なんて何歳だよ……」

きっと口から出まかせが、たまたま当たっただけ。

そうじゃなきゃ、さすがに話が飛びすぎる。

驚愕、疑念、ざわめき――視線だけが勝手に跳ね回る中、当の紬は自分の席でちょこんと座ったまま、何ひとつ気にしていない顔だった。

ようや...

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